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案件番号
210722

■案件概要
ハムスターが真夏の適温以上の屋外で展示販売されており、衛生面が劣悪


ショップでの居住状態

室温:
・屋外で展示販売
・ハムメディアと第三者の調査も含め、調査日の現地の最高気温は34℃に迫るような暑さと湿気で、屋外で展示されていた。
・ケージ自体は建物同士の風通しが良い場所に置かれていたが、正午帯の日照や、それを差し引いても適温以上の環境であった。

・第三者からの苦情により、現在は屋内展示(店内の窓際)に切り替え済みだが、店内はほぼ空調が効いていない状態。

ケージ:
・1ケージ1匹の暮らしができていない。
・1ケージにオスとメスが当然のように混合している。
・一部錆びている金網ケージが使われている。

回し車:
・一部のケージには回し車が設置されていない。
・各ハムスターの体格に合っていないサイズが設置されている。

巣箱(ハウス):
・一部のケージにはハウスが設置されていない。
・ハウスに入れない子は野良寝を強いられている。

給水器:
・すべてのケージに給水器が設置されており、問題なし。

衛生面:
・一部のケージ内にコバエや小さな虫(イエダニ)が潜んでおり、不衛生さを物語っていた。
・床材は牧草が使われているが、牧草の下に湿気を帯びた汚れなどが蓄積していた。
・店内のケージ外でもコバエや他に小さな虫を見かけた(ハムメディアスタッフ、情報提供者どちらとも)


■ハムスターの状態

・すべての子が、入荷日、生年月日、性別が不明な状態。
(一部の子はケージ内でいつの間にか繁殖してしまった子などあり)
・お尻が濡れてしまっている子がいた。(後に膀胱炎が原因と判明)
・胴体から手足にかけて目立ったハゲがある子が複数匹いた。(後にニキビダニが原因と判明)
・ケンカで耳を齧られている子がいた。
・やはりどの子も暑さを感じているような様子だった。


■その他の情報

他の問題点としては、動物販売時に義務付けられている販売契約書がお客に渡されていませんでした。
ハムスターたちの生年月日や入荷日が不明だったことを考慮すると、生体の管理台帳も存在していない可能性もあります。

レスキュー有無:
環境が不衛生だったため、一旦すべてのハムスターを引き取り、掃除などして環境を整えていただく という案もありましたが、
ハムメディアのキャパシティ的に難しいものだったため、もっとも状態が酷かった2匹を保護しました。
他の子はハムメディアが1匹1匹ボディチェックをした限り、目立った症状がありませんでしたが、
1匹のハムスターにニキビダニが付いていたことを考慮すると、他の子もなるべく早めに病院で検査やお薬での処方を受けたほうが良いと考えます。

ジャンガリアンハムスター:2匹(膀胱炎の子とニキビダニの子)
保護後にすぐに動物病院へ連れていき、診察と検査の結果、1匹はニキビダニ(HAM039)と診断されました。

そしてもう1匹の子は膀胱炎(HAM040)と診断されました。

現在は預かりスタッフのもとで療養中です。

(7月23日 追記)
後述の理由のより、店内に居たすべてのハムスター(6匹)を追加で引き取りました。
保護したハムちゃんたちは、すべて動物病院で健康診断を行い、現在預かりスタッフさんたちのもとで療養中です。
近日中にハムちゃんたちの個別ページをご案内します。


通報有無および今後の方針
・管轄の動物愛護センターに通報済み。(動物愛護管理法の基本原則および共通基準の適正飼養に違反)
・通報を受け、動物愛護センターから該当店舗へ電話で、近日中に点検調査を行う旨を伝達済み。
・現地の方の協力を得て定期的に調査を行い、期間を置いても環境が改善されなければ、再通報を行う予定です。
・ハムメディアとしては、根本的な解決のためにまずは店内の環境改善の要望をいたしました。(店主の方も改善を前向きに考えられています)
また、ハムスターの適正飼養のマニュアルと、不足している備品(ハウスと適正サイズの回し車)を店主に無償で寄贈済み。
(マニュアルについては環境省HPで動物取り扱い業向けに展開されている資料と、近年の飼育書をベースに作成しています)

7月22日時点で以下のハムスターが店舗にいます。
ジャンガリアン
ノーマル:大人ハム4~5匹、子ハム3~4匹(子ハムに関しては別の有志の方がすべて引き取られた可能性があります)
ブルーサファイア:大人ハム1~2匹

(7月23日 追記)

昨日保護した子たちがニキビダニ感染のハゲや膀胱炎を患っていたことを踏まえ、ハムメディアが7月23日に追加の調査を行いました。
また、7月23日にハムメディア以外の有志の方がお迎えをされ、そのハムちゃんも膀胱炎に近い症状を患っていたことから、
22日の段階で何も症状が見られなかった子も、何かしら症状が出ている可能性がありました。
店主と方とご協力のもと、改めてすべての子の毛並みやチェックしたところ、半数近くの子に脱毛の症状(程度はバラつきあり)が見られ、毛づくろいをする頻度もとても多い様子でした。
また、昨日ハムメディアが寄贈したハウス内にもイエダニによる出血跡が付着していました。
本ペットショップにいるほぼすべてのハムちゃんは、イエダニやニキビダニが感染しているのではないか という判断に店主と共に至りました。
店主の方から保護(無償譲渡)という形でハムスターたちを引き取ってもらいたい、そして病院などへ連れて行ってしあわせにしてあげてほしい というお言葉をいただき、
ハムメディアも店内に居たすべてのハムスター(6匹)を引き取りました。

ここ1年近くはハムスターの生体入荷もおこなっておらず、今回の子たちはずっと売れ残っていた状態だったとのことでした。
今回は結果的にハムスターたちにツラい思いをさせ、生体管理もキャパオーバーになっているというお店の状況を踏まえ、
ハムスター(このお店で唯一の哺乳類)の取り扱いは今回で辞めるというご判断に至ったそうです。今後ハムスター関連では、飼育用品のみの販売となります。
よって、ハムメディアとしては本件のことを管轄の動物愛護センターにも共有し、ハムスター以外の観点で調査していただく方針でお願いをします。

本店舗は悪い意味での『昔ながらのペットショップ』になります。
店主のハムスターに対する飼育知識も旧態依然としていることが展示状態、接客中に垣間見えました。
しかしながら、店主としてはネット上で炎上したことを受け止め、今回を機に店内全体の環境を改善される姿勢です。
現に、屋外での展示飼養も、苦情の電話があった翌日から取りやめております。
ごく一部のペットショップでは、本当に動物たちのことを何とも思わない人が経営されているパターンもありますが、
大多数のペットショップの方は、動物が好きだから、愛しているからこそ働いているというパターンがほとんどです。
ハムスターに関する知識が乏しい、知識がアップデートされなかった結果、ハムちゃんたちが窮屈だったり、ツラい環境に置かれているというのが、環境の良くないペットショップの現状です。
ハムメディアはそういった状況を変えるため、環境の良くないペットショップに適正飼養のマニュアルや飼育用品の無償譲渡を行い、陰ながらサポートもしています。
サポートした結果、適正飼養が続けられそうであれば、それが一番良い形ですが、今回のようにキャパオーバーで諦めるという判断をされる店主の方もいらっしゃいます。
今回は規模の大きい保護が発生したので、活動実績として記事を書かせていただいておりますが、記事で書いていない小規模案件の店舗も多くあります。

もし皆様が環境の良くないペットショップを見かけましたら、まずは店主の方などにお声がけし、自身の意見を伝えてみてください。
相手は決して悪逆非道な人間ではなく、動物を愛している方です。
不足していたり、違反していることは必ず是正されなければなりませんが、店主の方の人格そのものまでを強く批判する必要はないと考えます。
皆様にもご理解ご協力いただけますと幸いです。

ハムメディアでは別件などで保護をしている子もいるので、空きのある預かりスタッフさんを総動員しなければ本件は対応できませんでした。
ゆえに現在は、新規での預かりがほぼ出来ない状態なので、新規の預かりスタッフさんを大募集中です。

今回の案件では、交通費、医療費で大きな支出が発生しております。 ご無理のない範囲で、皆様のご協力のほど、宜しくお願いします。
ご支援金の送金方法として、クレジットカードがご利用できるようになっております。(一部事業者は後日対応予定)


もし残されたハムスターたちを無理のない範囲でお迎えしていただける方がいらっしゃいましたら、ハムメディアまでお問い合わせください。

店舗名と詳細な住所などを共有させていただきます。


店舗情報
店名:行政指導中のため伏せさせていただきます
住所:神奈川県鎌倉市
TEL:行政指導中のため伏せさせていただきます
営業時間:行政指導中のため伏せさせていただきます
駐車場:なし
その他: