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案件番号
210808

案件概要

元の飼い主が60匹近くのハムスターを遺棄し、その飼育を押し付けられた方が多頭飼育困難に陥り、ハムスターたちも危うい状況になっている


経緯

元々の飼い主を人物Aとする。
今回ハムメディアにレスキュー依頼を出した現在の飼い主を人物Bとする。
人物Aが60匹近くのハムスターを飼育しており、事前予告なく知人である人物Bに家の前に60匹のハムスターたちをケージごと遺棄。
遺棄した翌日に人物Aから人物Bにハムスターのことで連絡があったが、それ以降に人物Bから人物Aにコンタクトを取ろうとしても、
音信不通となる(住んでいた家や契約していた電話番号も解約済み)

人物Bは警察や行政に相談するも現状を打開する解決策が出ず、ひとまず60匹のハムスターのお世話をすることにする。
当初は遺棄されたときに入っていたケージなどをそのまま使っていた。
人物Bの親族と協力して、状態が酷い子は親族が優先的にお世話、健康そうな子は知人などに譲渡して自身にできることは最大限おこなう。
しかし人物Bや協力してくれた親族は、ハムスターの飼育経験が元々皆無で、人手不足でお世話も行き届かなくなり、日に日に弱ったり、ハゲがひどくなる子が徐々に増えてくる。
状態が酷い子を動物病院へ連れて行った際に、先生のアドバイスで1ケージ1匹暮らしにする、なるべく清潔な環境を維持する など実践するが、
やはり圧倒的に人手と医療費を捻出するお金が足りず、状況は悪くなる一方であった(衰弱で亡くなる子も出てきていた)

人物Bはハムメディアのことを知り、ハムメディアにレスキュー依頼を行う。
ハムメディアも7月のレスキューなどで保護のキャパシティが限界に近い状態だったが、
日に日に亡くなったり、弱っているハムちゃんが増えている という話を聞き、1匹でも多く救えるならと ひとまず現場の調査に伺うことになる。

ハムメディアに連絡があった時点では26匹のハムスターが居るという情報だったが、調査日の前日にまた1匹亡くなり、現場調査時は25匹のハムスターが居た。


現場での居住状態:

室温:
・エアコンによる空調管理を行っており、基本的に適温環境下にいる。

ケージ:
・当初は1ケージにシリアンサイズのハムスターが5~6匹入っていた。
・動物病院からアドバイスを受け、現在は1ケージ1匹の暮らしができている。
・シリアンサイズのハムスターには狭い金網ケージ。

回し車:
・各ハムスターの体格に合っていないサイズが設置されている。

巣箱(ハウス):
・すべてのケージにハウスが設置されている。
・木製のハウスは おしっこなどで腐ってきている。

給水器:
・すべてのケージに給水器が設置されている。

衛生面:
・ケージ内で吸血を行うイエダニが確認されている。
・定期的にお掃除をしているが、数が数なので細かいところまで行き届いていない。


ハムスターの状態

・すべての子が、生年月日が不明な状態。
(人物Aの家で自家繁殖させてしまったものと思われる)
・ほぼすべての子にイエダニやニキビダニによるハゲあり。
・広範囲にハゲが広がっている子もいれば、狭い範囲のハゲで済んでいる子もいるが、ハゲの範囲は広がっている。
・ケンカで片目が無くなったり、耳をかじられたり、お腹などにケガをしている子がいる。
・先天的な要因で片目が小さい子がいる。(インブリードつまり近親交配の可能性もある)
・金網ケージが原因で歯が欠けている子や、歯の根元ごと無くなっている子がいる。


その他の情報

 


レスキュー有無

ハムメディアの保護キャパシティは限界間近でしたが、症状が深刻な子はすぐに病院へ連れて行くべきと判断し、合計8匹のハムスターを保護しました。

ゴールデンハムスター:6匹(片目がない子、ニキビダニによるハゲが広範囲に広がっている子)
いとくん(HAM047)むぎくん(HAM049)茶介くん(HAM050)クリームくん(HAM051)のぼるくん(HAM052)
ロボロフスキーハムスター:2匹(腫瘍を患っている子、ハゲが広がっている子)
てんくん(HAM053)れいくん(HAM054)

保護後にすぐに動物病院へ連れていき、診察と検査の結果、やはりほとんどは免疫低下によるニキビダニのハゲと診断されました。
現在は各預かりスタッフのもとで療養中です。

9/19 追記
9/19時点で残っていた5匹のハムスターをすべて保護しました。

くるみくん(HAM056)お名前未定くん(HAM057)こまくん(HAM058)しろみくん(HAM059)だいずくん(HAM060)

こちらも保護後にすぐに動物病院へ連れていき、診察と検査の結果、やはりほとんどは免疫低下によるニキビダニのハゲと診断されました。
また、一部の子は重篤な病を患っています。
現在は各預かりスタッフのもとで療養中です。


今後の方針
・ひとまず、8匹のハムスターを保護しましたが、残り17匹も重症ではないとはいえ、病院へ早急に連れて行ったほうが良い状態です。
・ハムメディアの預かりスタッフさんの数が増えたり、里親募集している子たちが無事に譲渡されたり、キャパの確保ができ次第、追加で保護を行う予定です。(現状は明確な目処が立っていません)
・現場調査をした際に、飼育環境で改善したほうが良いところはアドバイス済みです。
・手本にする際に参考になる飼育書を1冊ピックアップし、紹介済みです。
・残っている子全員は病院へ連れて行けなくても、必要となるお薬だけもらってきて家で治療を行うなど、予算的にも人員的にも現実的に可能な対策を、飼い主さんと連絡を取り合いながら模索中です。
・今の飼い主さん(人物Bや親族の方々)は突然降ってきた災難にもかかわらず、ハムスターたちのためにできることを最大限してくれている状況です。
・現在残っているハムスターの大多数が疾患持ちのため、里親募集サイトなど一般の方向けに里親募集は行えない状況です。
・管轄の行政ではハムスターは引き取ってもらえない状況です(犬や猫であれば協力団体あり)

もし以下の条件に合致し、里親になっていただける方がいらっしゃいましたら、ハムメディアにお問い合わせください(お問い合わせ)
・里親になったハムスターのニキビダニやイエダニ治療を必ず行っていただける方
・インブリードによる先天的な疾患を患う可能性があることも承知している方
・多頭崩壊の現場まで直接お越しになれる方(東京都福生市になります)
・空調管理などハムスターの適正飼養が可能な方
・現在、多頭飼育をされていない方
・爬虫類などの餌にしない方
・譲渡人に身分証と連絡先のご提示が可能な方

8/10時点で以下のハムスターが残っています。
ゴールデン
キンクマ:4匹
キンクマとシロクマのMIX?:8匹
ホワイト長毛:5匹


8/15 追記
かかりつけの病院からニキビダニのハゲに対するお薬を、残っている子全員に1回分ずつ処方してもらいました。
通常は院内診療・治療を行うものですが、予算の兼ね合いで自宅治療となっています。
1~2週間ほどは経過観察期間となり、それでも症状が回復しなければ再度お薬を処方してもらう予定です。
そして2名の方が里親として名乗り出てくださいました。
まだ10匹以上の子が新たな家族を待っていますので、里親のお問い合わせお待ちしております。


8/23 追記
新たに2名の方が里親として名乗り出てくださいました。
そして今の飼い主さんが3匹のハムスターを終生飼養することになりました。
まだ残っている子たちは新たな家族を待っていますので、里親のお問い合わせお待ちしております。

8/23時点で以下のハムスターが残っています。
ゴールデン
キンクマ:1匹
キンクマとシロクマのMIX?:6匹
ホワイト長毛:3匹


9/1 追記
新たに4匹のハムちゃんが里親さんの元へ巣立っていきました。
まだ残っている子たちは院内治療による本格的な治療が必要で、新たな家族を待っていますので、里親のお問い合わせお待ちしております。

9/1時点で以下のハムスターが残っています。
どの子も極端に人を怖がっている子はおらず、人慣れしており、とても愛らしい子たちばかりです。

ゴールデン
キンクマとシロクマのMIX?:5匹
・♀、腿にハゲ、イエダニ、下半身にフケ
・♂、脚にハゲ、イエダニ
・♂、イエダニによる薄毛、左目開けづらい、頭がハゲて来ている、下半身にフケ
・♂、目開けづらそう、イエダニ、下半身にフケ
・♂、イエダニ、左腿のあたり薄毛、下半身中心にフケが酷い

ホワイト長毛:2匹
・♂、右腿のあたり毛薄い
・♀、腹部にハゲ


9/12 追記
新たに1匹のハムちゃんが里親さんの元へ巣立っていきました。

9/12時点で以下のハムスターが残っています。

ゴールデン
キンクマとシロクマのMIX?:4匹
・♂、脚にハゲ、イエダニ
・♂、イエダニによる薄毛、左目開けづらい、頭がハゲて来ている、下半身にフケ
・♂、目開けづらそう、イエダニ、下半身にフケ
・♂、イエダニ、左腿のあたり薄毛、下半身中心にフケが酷い

ホワイト長毛:2匹
・♂、右腿のあたり毛薄い
・♀、腹部にハゲ


9/19 追記
今の飼い主様が1匹のハムちゃんを終生飼養することになりました。
そして残った5匹のハムスターをハムメディアですべて保護しました。
これにより、多頭飼育崩壊という状態は完全に解消されました。

もしかすると、今回の13匹のほとんどは里親募集ができないサポートファミリーハムスターになるかもしれませんが、のびのびとしたハムライフを送れるように、スタッフで最善のお世話をして参ります。
ハムメディアでは合計13匹のハムスターを保護することになりましたが、これもすべて協力を申し出てくれた新規の預かりスタッフさんと、
多頭飼育崩壊に耐えられるだけの活動資金や拡散などでご支援してくださった皆様の尽力がなければ成し遂げられませんでした。本当に感謝いたします。
ハムメディアとして多頭飼育崩壊に対応したのは今回が初めてでしたが、先月はとてつもない支出が発生し、改めて多頭飼育崩壊の対応には、預かりスタッフと活動資金の確保が必要不可欠であると痛感しました。
多頭飼育崩壊は発生しないことが一番ですが、今後また別の多頭飼育崩壊が発生した際に、ハムメディアがハムスターたちの力になれるよう、組織としての基盤をより強固なものにしていきたい所存です。今後も応援していただけると幸いです。

※今回保護された『だいず』くんです


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